日本はやるべきコロナ対策が全くできていないことの反省もなく、「ウイズコロナ」などとの誤ったメッセージを刷り込む文言を使ってはいけないということです。コロナ対策の失敗は現政府にあります。
「エスケープコロナ」でも「ゼロコロナ」でも「デコロナ」でも「ノーコロナ」でもニュージーランドの様に「エリミネ―ションコロナ」でもどれでもいいです。意味合いとしてはコロナウイルスを0にすることではなくて、市中感染を0にする政策をとるということです。ただ「ウィズコロナ」だけは受け入れられませんし、受け入れてはいけないと思います。
日本の目指すべき方向性は、ニュージーランド、台湾などが実施した徹底した水際対策をまず行うべきだと思います。現在WHOが新たな注目すべき変異株VOIに位置付けたμミュー株がコロンビアから発生し31か国に広がりを見せているδデルタ株に置き換わるかどうかは不明ですが、既に3例が検疫で確認されているとのことです。まずは、脅威となりうる変異株をこれ以上国内に入れないことが重要です。
その上で徹底的な検査を行い無症候感染者をあぶり出し、徹底的な区分けを行い治療に結びつけるということを愚直にできる体制を作ることが何より政治にそして次の政権に求められることです。そのためには過渡的には早急に行うべきは、いわゆる野戦病院の設営であり、とりわけ都市部では医療にアクセスできない数万人の感染者の方々にとっては病床が無く入院したい場合には、自宅で放置されることがあってはならない死活問題です。もう、待ったなしの状況です。この野戦病院は新型インフルエンザ特措法を使えば予算さえ組めば即座に開設が可能なのです。地方で予算の捻出が簡単ではない場合には、国が交付すればいいのです。法律には、都道府県知事はこの様な緊急の場合には、臨時医療施設を開設させなければならないと明言されているのですから。以下に条文を記しておきます。
(臨時の医療施設等)
新型インフルエンザ等対策特別措置法 第三十一条の二 都道府県知事は、当該都道府県の区域内において病院その他の医療機関が不足し、医療の提供に支障が生ずると認める場合には、その都道府県行動計画で定めるところにより、患者等に対する医療の提供を行うための施設(第四項において「医療施設」という。)であって都道府県知事が臨時に開設するもの(以下この条、次条及び第四十九条において「臨時の医療施設」という。)において医療を提供しなければならない。
何より恐ろしいことは、現在菅氏の政権投げ出しとも言っていい言動により、政府の機能が止まっていると言ってもいい状況で、与党もマスコミも、自民党のコップの中での嵐にうつつを抜かしているということです。
日本は決して大きくはない4つの主たる島からなる島国です。勿論そんなことは誰でもわかっている事です。しかしこのコロナ事情の中で島国である事のメリット性が全く生かされていない現実があります。なぜなら、島国という立地の利便性を生かして新型コロナ対策にみごと成功している国があるからです。それは、ニュージーランドであり台湾です。
日本はこれらの成功事例をみようともせずそこに何一つ学んでいないのです。この成功例のまず最大のポイントは徹底した水際対策です。
ニュージーランドの事例を見ると、検疫のない旅行ゾーン以外からニュージーランドに到着するほとんどすべての人は、少なくとも14日間(336時間)管理された隔離状態にとどまる必要があります。帰国者向け情報ガイドまたは検疫では、定期的なCOVID-19検査など、いくつかの要件があります。人々は、0/1日目、3日目、および12日目に、最低2回、場合によっては3回テストされます。人々がニュージーランドに到着すると、次のいずれかに行きます。
管理された隔離施設(症状がない場合)
検疫施設(症状がある場合、またはリスクが高いと見なされる場合)。
管理された隔離中に症状が現れた場合は、検疫施設に移動します。施設を出る前に、すべての人の最終的な健康診断を行います。
これは、彼らが持っていることを確認するためです:
・COVID-19症状なし
・摂氏38度未満の温度
・COVID-19検査で陰性でした。
台湾はやはり島国の立地利便性を生かし徹底した水際対策での新型コロナ封じ込めに成功しています。
「2021年7月26日に台湾中央流行疫情指揮センター(CECC)が発表した「厳格な国境管理措置」に伴い、ROC(台湾)の海外ミッションはビザ申請の処理を引き続き停止します。有効な訪問者ビザまたは居住ビザ。緊急時または葬儀への出席や重病の家族の訪問などの人道的理由で台湾への入国を必要とする外国人は、特別入国許可ビザを申請する前に、CECCから特別許可を得る必要があります。 ROC(台湾)ミッション。
厳格な国境管理措置が実施されている間に特別入国許可ビザが失効する外国人については、外務省はCECCの国境管理調整に従って適切な調整措置を採用します。
出典:中華民国外交部(台湾)」
これにひきかえ日本は、初動から対策が後手に回りました。武漢での発生そしてクルーズ船での感染の時も水際対策についての対応が鈍く、習近平氏の来日中止の時までほぼ解放状態でした。来日中止が決まった翌日になって慌てて事を進めるといった非常に鈍い対応に終始していた為既に国内では感染が広がってしまっていました。その後も、ファクターXとか言われながら欧米に比べると感染者数も限定的であった為、ほとんどこれといった対策を打たず、年を越えると今度は五輪開催の為にとりわけ五輪関係者優遇の免除を乱発し、感染爆発から医療崩壊に至るまで手をこまねくだけでまともな対策を行わず、感染者自宅放置の公式発表となり、自宅で重症化死亡するという事例が相次いで発生しました。これは、政府の無策による人災といっても過言ではないでしょう。まず、一つ目の、水際対策の失敗というか、政府が水際対策自体を対策していなかったといっていいでしょう。
前述のニュージーランド、台湾などは実効性を伴った方法を実践しています。それに伴い日本はというと、書類審査とせいぜいスマホアプリといった具合で、何の強制力もなく、監視もしないといった穴だらけの方法論での対応です。仮に、自宅隔離といった状態になっても、監視がされない為、出歩いてもスマホを置いたまま外出するなり、スマホ2台もちでアプリのインストールしてあるスマホを自宅に置いたまま外出した場合には補足のしようがありません。まさにザルの状態でニュージーランド、台湾とは雲泥の差なのです。
そして、2番目に挙げる政府の失策は、検査体制が先進各国の中でも際立ってお粗末であり、現状においてもそれがまだ続いているということです。民間含めPCRだけではなく抗原検査も含めると充分な検査キャパシティがあるにもかかわらず、未だに検査数が全く伸びない状況になっています。
検査自体が非常に閉鎖的で簡単には手が届かない状態が1年半以上たつ現在でも全く変わっていない状態です。先進各国では、いつでもだれでもどこでも何度でも検査にアクセスできるという体制になっている国が多くあります。感染症の基本の基が検査にあるということは厚労省の基準にあるごく当然なことです。まず検査を行わないことには何も始めることができないということは初歩の初歩の話です。
検査を行い、陽性者が見つかれば居住領域の区分を行い、適切な処置を行うという流れが当然です。この基本が全くといっていい程場当たり的でなされてこなかったのが今の日本の失敗を招いた原因ということは明らかです。行政検査としての入り口の仕組みがボトルネックになっている事が最大の原因です。ここには、感染症村といわれる部分の所と、厚生所の医務技官、保健所の闇があるといわれています。この事はこれから解明していかなければならない重要な問題であり、責任を伴う問題であるともいえます。
政府の行いとは裏腹に、おかしなことに実際に五輪関係者に対してはあれだけ多くの人々が声を大にして呼びかけても国民に対しては未だにできないPCR検査が、毎日のようにそれも相当の多数回に渡り潤沢に実施されていたのです。
ここで見えてくる結論は、政治が全く機能していないということです。日本にはできる能力と設備がある事は、明確です。なぜなら海外で日本から輸出されたメードインジャパンのPCR検査機がたくさん使用され実績を上げているという事実があるからです。やる気があって指示系統を政権が明確に示す能力があれば十分に検査ができる資金も力もあるのです。それにもかかわらずそれをやってこなかった、また今もやっていないという事は非常に大きな国民に対する背信行為です。
3つ目の失敗は、情報の正確さと迅速性に欠けるということです。世界先進各国の新型コロナ(Covid-19)に対する感染ルートについての見解の大勢の流れはエアロゾルによる空気感染が、今では主流となっております。まだ議論は展開されていますが、この様な危機対応においてはまず予防原則という考え方に則って政策を打つという事が肝要です。疑わしく仮設段階で結論がまだはっきり見えない場合には、リスクをより多めに回避できる方向に舵を切った政策をとるという考え方です。つまりは、厚生労働省も、マスコミもエアロゾルによる空気感染が感染ルートの主流であるとの見解を大々的に喧伝すべきだと思います。それによって、とるべき対策が全く違ってくるという事になります。ソーシャルディスタンシング社会的距離の確保についても換気の悪い屋内においては18メートル離れたところでも感染が認められています。また、マンションの別の部屋においての感染事例があり、ダクトを通じて感染が発生したとの可能性が高いことが言われています。この事から、アクリル板などでの室内での遮蔽に関しては、飛沫に対する一定の防御としては意味がありますけど、アエロゾル空気感染に関しては無防備という事になってしまいます。そのためには、室内に置いては充分な換気が何よりの有効手段という事になってきます。エアロゾル化したSars-Cov-2ウイルスは密閉された室内に置いては数時間感染力を持ったまま漂うことが確認されています。その為には、HEPAフィルターなどが完備された空気清浄機や窓開け等の換気が非常に重要な手段になってきます。密閉された空間に足を運ぶ際には、携帯用のCO2モニターでCO2の計測を行い800PPMから1,000PPMを越えるような空間からはできるだけ早く退去するなどの方策も有効な手段として活用をお勧めいたします。比較的安価に通販等で入手が可能ですのでお調べください。
(この空気感染に関しては、9月5日のこのブログで書いておりますので参考にしてみて下さい。)
外出時に他人と接する場でドイツでは不織布マスク以外は認められておらず、布やウレタンマスクを着用している人は皆無と医師の米村滋人氏が2021年09月4日更新のビデオニュースドットコムで語っています。
最後に、先日この件も8月10日のこのブログ「菅政権によるコロナ禍の人災。今、病床を法的に確保する方法!!」で触れていますが、法的拘束力を持って公立病院をコロナ専用病院にすることが可能で、その場合に当然民間中堅病院との連携が必要になりそれらのことが可能であることに言及していますのでそちらを参照してください。
法的にも使命を果たさなければいけない立場にありながら、その使命を果たしていないという事があります。それが何かというと金銭的な問題です、NPO法人医療ガバナンス研究所の上昌弘医師がTwitterで述べている事によりますと、幾つかありますが、原資は税金である相当な金額の補助金を受取っているという事です。前年の2020年には324憶円もの補助金という名の税金が投入されているということです。また、国立病院にも、JCHOと同じように多くの補助金がつぎ込まれているということです。
それにもかかわらず、コロナ病床は非常に少なく数パーセントという状況だそうです。この事には、なぜなのか、野党もあまり触れず、マスコミも全くといっていい程追求しません。https://twitter.com/KamiMasahiro/status/1434332540949581824?s=20https://twitter.com/KamiMasahiro/status/1434376077774782471?s=20
その他にも、クラスター対策、濃厚接触者という世界に類を見ない感染症村独特の感染症対策があります。これは現在空気感染が主な感染と確かに議論は在りますけどほぼその可能性が高いという国際的な流れの中では労多くして実りなしといった事になってしまいます。その様なある種不毛な徒労政策を行なうなら、そのリソースを別の所に振り向けなければ対策として限りあるリソースの無駄遣いとなってしまうと思われます。
ワクチン手配の遅れもそうでしょう。失策の1つです。
兎に角、次の政権がどこになるにせよ、最低限この4つの政策を徹底して行う事と、有効薬品の開発と調達に全力を尽くしていただきたい。
(参照リンク)
COVID-19:ニュージーランドのアオテアロアの撲滅戦略参照
https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/covid-19-novel-coronavirus/covid-19-response-planning/covid-19-border-controls
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