最近ほとんどテレビをみなくなりました。ちゃんと見るのはTBSの「報道特集」ぐらいでしょうか。それは、この番組がおかしな忖度や、バイアスを感じないと共に、真摯なまでの調査報道が、そして現場に足を丁寧に運んで取材している事が画面を通じて伝わってくるからです。悲しい事に、番組全体を通してあのような姿勢の番組を他ではほとんどみなくなってしまったということです。嘗てはあったのですが、どんどんと権力に侵食され媚びを売っているかのように変質してしまったのです。
今の地上波といえば、五輪が強行開催されたときも、あの無理矢理に多くの国民の意志を無視して、その中で新型コロナ感染に苦しむ国民の気持ちも無視して、画面を埋め尽くすような五輪報道で、無批判に五輪、五輪、五輪で一色になったテレビマスコミ。間違ったメッセージを喧伝して感染の拡大にも寄与した可能性もあるのではないかと思います。テレビマスコミ自体がスポンサーに名を連ねていたこと自体もその理由の一つかもしれませんが。
そして、今度はどうでしょう。五輪が終わり菅首相が総裁選不出馬を決めるや否や、次の自民党総裁候補の報道一色となるテレビ画面。そんなに与党に貢献したいのでしょうか。この新型コロナパンデミック下で、入院したくとも入院できずに自宅で放置の状況になり多くの国民が苦しい思いをしたり、8月には250人もの方々が新型コロナウイルスの犠牲で命をおとしたとの警察の調査の結果報道がありました。また、経済的困窮においても多くの国民が苦しい思いをしています。そんな中で、あくまで一党の党首を決めるだけの事に公共の電波を何時間独占すればいいのでしょうか。一党の中でのいわゆるコップの中の嵐ではないですか。野党が言うように、憲法に違反し続けて国民の為に国会を開催してやるべき議論やるべきところをやらず逃げ回って、総裁選にうつつをぬかすというようなことで日々を浪費することは許されません。いま政治家のやるべき事は与野党問わず一致協力して、今まで失敗し続けている新型コロナ対策にこそ全力を傾けるべきことです。それを擁護し更に増幅させている責任の一端はテレビマスコミにもあります。本当に責任を感じるべきです。マスコミがまともなら、ちゃんと国会を開け。開かないのは憲法に違反している。自民党は憲法違反だ。その様なキャンペーンをやるならまだしも、次の候補はだれだれで、誰が支援してます等、どうでもいいことを次から次に放送しているという体たらくです。
地上波マスコミはコップの嵐を前面に押し出して何度も何度もお無様な内容を無批判に放送し続けています。野党曰く9時から5時まではまともに国会を開いて国会議員としての職責を果たすべきであり、総裁選のことは放課後の活動として午後5時過ぎからやるべきだということはもっともなことだと思います。申し訳程度に立憲の主張をプラスして伝える場合もありますけど、お飾り程度です。
テレビマスコミのバイヤス報道のやり方の裏に、経団連や電通への忖度があるということは明らかなことでしょう。自民党政権では無理だと思いますが、野党共闘に政権奪取してほしいですが、政権交代をした際には、クロスオーナーシップ制度の廃止及び禁止法案の制定を行なうことと、日本版FCCを創設して、通信、放送分野を総務省から切り離し独立行政委員会を設立して国民利益に主体性を置いた独立した国民が監視する組織にしていただきたいと思います。また、NHKについても国民が民主的に関われる解放された国民の為の放送局に刷新する必要があると思います。安倍政権以降、トップの人事も与野党含めた国会同意人事ではなく与党の意向で決められてきています。会長人事、経営委員会人事など開かれた国民利益に資する人事の形態を早急に考える必要があると思われます。
国民の大切な財産である電波が、主権者である国民益の為に現在使われているとは到底言い難い状況です。電波を国民の側に取り戻し、国民が正しい多くの情報を得られることを最優先に電波の配分、運用の民主化を行なうこと、地上波テレビの国民、市民に寄り添った民主化はとても大切な問題の1つです。
アイキャッチ画像 Photo credits.
この記事へのコメントはありません。