田中康夫氏の横浜市長選挙への立候補で初めて知りました。あの関内の一等地にある旧横浜市庁舎があまりにも不正な金額で売却されるとの話を。耐震工事に62億円をかけた建物を7,667万5000円で売却するとの話でした。ところが話はこれだけではなかったのです。この事だけでも驚きの価格、なんせ約30,000㎡ですから、マンションの国内平均専有面積68.2㎡ですから、440世帯分がほぼ1世帯分の様な価格で売却されるという乱暴な言い方をすれば、もってけ泥棒値段でのたたき売り状態なのです。
それに加えて今回分かったことは、敷地面積 18,852 ㎡の市有地である敷地を、権利金は無で、77年間の長期借地権契約で貸すのですがその借地権料金が年間2.1憶円ということなのです。つまり2.1憶円÷18,852㎡÷12か月=928円/月というなななんと1,000円を切るこれも超破格値で、所有は横浜市の為当然固定資産税は不要となるのです。(参照:旧・横浜市庁舎の建築概要 2020.12.5 吉田鋼市) (他に、17066㎡との記載文章もある、その場合には1,025円/月となるがいずれにせよ超破格値。)
逆に横浜市民の側から見ると、この土地の不動産価格は、2020年度の土地評価額が179憶円で、その場合のそこから上がる固定資産税収益は、1.75憶円程度となります。そして更に、事業者の決定後に建物の高さ制限が75mから170mへと大幅に緩和されたので、土地の価格は安く見積もって1.5倍とすると270憶円ほどの金額になるやもしれません。当然固定資産税も、上物の建築物にもよりますが、土地だけでも、2.6億円/年ぐらいにはなるのではないでしょうか。しかし今回の本契約を新市長が通してしまえば、長期での借地契約になる為、2.6憶円/年×77年≒200憶円の固定資産税は77年間ゼロとなってしまうのです。横浜市民の側には、7,667万5000円だけが残り、関内の一等地は単純に見れば市民の為にならず無機質な高層の商業ビルができて横浜の雰囲気が壊され地域の個々の店には人が回遊しなくなり、市民的には土地は塩漬け状態で土地からは市民は収穫できずという事になります。
兎に角今回のこの画策は、行政や前林市長は、一般公募という言い訳をしていますが、その一般公募をだれがいつ知っていたというのですか?横浜市会の野党議員は知らないようですし、横浜市のホームページとかで情報を開示したのですか?
市民側から見た場合に、その分の売却益270憶円、と年々の2.6憶円を他の事業に振り向けた方がよっぽど有効だとの考え方もあり、市民の議論の中での話合いの中での活用方法が決定されることが望ましい事なのですが、ここにも巧妙に仕組まれた悪意ともいえる回避のトリックがあったのです。それが、この市庁舎の売却価格7,667万5000円なのです。なぜかといいますと、1億円以下のこの様な売却案件に関しては横浜市会での議論を経なくともよいとの規則があるということなのです。つまり、議会での議論採決を回避するためにそこから設定された金額と思われるのです。この、金額算定に当たっては元々の建物価格は専門家の算定基準を経て決定されているようなのですが、そのサン的額に5%という根拠不明の率がかけられて最終金額が決定されているようなのです。つまり、1憶円という横浜市会の議論議決を避ける価格を決定するがために設定された謎の利率が5%という掛け率という事になるようです。市民をだますのもいい加減にしろといいたくもなる巧妙なトリックです。
不思議なのが、これらのことを多くの市議会与党議員はともかく、立憲民主党系議員、共産党系議員は知らなかったのでしょうか?それとも知っていて知らん顔をしていたのでしょうか?少なくとも、私は田中康夫氏の問題提起で初めて知りましたし、井上さくら議員の先日の市会での質疑で一応一時的に留保されている状況に現在ある事を認識しております。この件で市議2名と住民86名による訴訟が起こされています。横浜市会議員で、この問題を問題視して表明している議員は現在知るところでは、井上さくら議員と太田正孝議員の2名です。
旧市庁舎の建物の売買契約および敷地の定期借地契約は、昨年末に予約契約が結ばれ、この9月末に本契約が結ばれる予定になっていました。が、9月16日の市議会での井上さくら議員の複数回にもわたる質疑の結果、山中新市長は本契約の決裁を一旦、止めて、決裁権を局長から市長に移管し、妥当な売却額であるか第三者の評価を仰ぐことを表明しました。中山新市長が、一旦は立ち止まることを明確に表明したことは大きな進歩です。しかし、このような重要な案件の決裁者が区長ということも驚きですが、まだ予断を許せない状況は続いております。新市長が検討した結果価格には問題が無かったと言って決済してしまえばそれで本契約が通ってしまう段階からは脱していないからです。
山中竹春新市長は選挙戦の中で、旧市庁舎の売却問題については、市長になったら調査し、情報開示する、代替プランも示す、と市民に約束しています。高橋健太郎氏のYouTubeの話では、ある市民の方が選挙戦期間中に中山竹春氏とその市民の方が1対1で話をしたときに市長になったら、調査し、情報開示する、代替プランも示すとの回答を明言しそのことを録音に残していると述べ、YouTubeにも上げて話題になったと安富歩氏、片岡佑介氏との本日9月23日公開のYouTubeで述べていました。録音があるため逃げられないはずですが。
この横浜市の重要案件について多くのマスコミはまともに報道をしていません。毎日新聞が9月18日に9月16日の市会の質疑と新市長答弁を受けて「横浜市役所旧庁舎売却どうなる 9月末に期限新市長の判断に注目」と伝えているだけです。地元の神奈川新聞も国政には鋭い突っ込みを行なっていますがどうなっているのでしょうか?
いずれにせよ、9月末で本契約を山中新市長が決済してしまえば、市民は
先日、音楽評論家の高橋健太郎氏がchange orgで「山中竹春横浜市長は、旧市庁舎の建物売却および敷地の定期借地の本契約を一旦停止し、市民との対話を図ってください」という署名を呼び掛けて、賛同者は
初期賛同者
高橋健太郎(音楽研究者)、安冨歩(東京大学教授)、片岡祐介(音楽家)、池亀彩(東京大学准教授)、松尾貴史(俳優)、ぼうごなつこ(まんが家・イラストレーター)、井上さくら(横浜市議会議員)、あべみちこ(クリエイティブディレクター)、小宮山智一(レストラン店主)、島田邦人(会社員)、井本征志(洋品店経営)、安井勇介(自営業)
となっています。2021年9月23日12:54現在で3,530人が署名しています。明日提出予定で1万人を目指しているようなので少なくともそのぐらいは達成できるとうれしいと思います。勿論私も署名しました。
高橋健太郎氏は次の様に述べています。
このような自治体の問題は、全国各地にも見られます。そこで横浜市に限ることなく、幅広い市民の皆様に知って頂きたい、考えて頂きたいという思いから、このchange orgを始めることにしました。
村野藤吾氏の設計による歴史的建築物である横浜市の旧市庁舎は、それを保存し、再利用することも考えられます。あるいは建物だけなく、敷地も売却して、多くの課題を抱える横浜市政の財源とすることも考えられます。
山中新市長は住民自治の実現、市民との対話を選挙中から掲げ、当選しました。山中新市長のもとで始まる新しい横浜市政は、旧市庁舎の建物売買契約および敷地の定期借地契約の妥当性を見直すとともに、旧市庁舎の建物と敷地の未来のあり方について、市民の声を聞くべきではないでしょうか。
市長には、9月末の本契約は一旦、停止し、住民の声を聞く機会を持つことを強く求めます。
高橋健太郎氏、安富歩氏、片岡裕介氏らや井上さくら議員のおっしゃる通りだと思います。
横浜市政を市民の手にそして国民の手にも取り戻そう!!
Change.org https://www.change.org/about
「山中竹春横浜市長は、旧市庁舎の建物売却および敷地の定期借地の本契約を一旦停止し、市民との対話を図ってください」
https://is.gd/MzRtoz
緊急対談 第三弾「横浜旧市庁舎の叩き売り、ちょっと待った!」安冨歩+高橋健太郎
https://www.youtube.com/watch?v=KVUjVG0aHok&t=901s
アイキャッチ画像(イメージ写真) Photo credits. Daniel Lobo
Ayuntamiento
#横浜市庁舎不当価格売却 #横浜新市長 #山中竹春市長
この記事へのコメントはありません。